天海星はミュージカル劇団「リラ」のナンバーワン女優・千陽光だった。自らの出世をしった星は、リラの入団テストに挑戦する。しかし、テスト会場での母の態度は冷たいものだった。落ち込む彼女を励ましたのはリラの人気男優・長岡大樹だった。彼のアドバイスをうけた星はテストに合格する。
合格を告げられた光はやはり星に冷たかった。その上、光とリラのスポンサである西条隆との関係を知った星は再び落ち込む。再び大樹から役者としての仕事の素晴らしさを教わり、一日のはやく彼と舞台にたとうとおもう。が、どうも大樹は西条隆の娘で若手人気女優の西条麗と仲がよいように見える。
あるとき、リラの公演「ウィーリー」の端役に穴があく。光はその役に練習を見学していた星を推薦する。母の推薦をうけて張り切る星だが、舞台の上の光は星を邪魔するかのような演技をして彼女を困らせる。星にはその母の姿に娘を捨てて舞台を選んだその人を見る。しかし、大樹のおかげで星は機転をきかせ、その場を取り繕った。
公演後、星は光を訪ねる。褒めてもらえるかも知れない、という僅かな期待を抱いていたが、光は星を舞台荒らしと蔑み「お母さんと呼ばないで」と言い放つ。みたび(もっとか?)落ち込む星は大樹に抱きついてしまう。それを目撃した麗に「私の彼になれなれしくしないで」といわれてしまう。
あるとき星は、古い脚本をひろう。作家の名は倉本星。『リラ』の次ぎの公演は、その倉本の手による「メロディ・オブ・ラブ」に決まる。主役は光だが、それ以外の役はオーディションで決めるという。大樹にも励まされ、星は努力して役をもらおうと意気込む。
そんな星の元に匿名の手紙が届く。そこには、星と光が親子であることをばらされたくなければ、退団するように、とあった。光のことをおもい、星は一度は退団を決意するが、大樹に事情を話し、説得され結局はオーディションをうけに劇団にもどる。
オーディションは既に終了していたが、光は星がテストを受けることを特別に許可する。麗はそれでは不平等だと抗議し、星と麗とでサブヒロインの座をかけて争うことになる。結局、麗は星に敗れ、その腹いせに星と光が親子であることをばらしてしまう。彼女は、「ウィーリー」公演後、光と星が話すのをこっそりと聞いていたのだ。
光は星が自分の娘であることを認め、星の期用は娘だからではなく役者としてであると言い切る。麗は劇団を辞める。光はスキャンダルを恐れずなおリラで演じたいと思うもののみが劇団に残れという。結局、麗は戻らず、麗の父の西条もスポンサを降りるが、他の仲間たちは公演の成功を目指す。
「メロディ〜」の山場は光と星が同時にピルエット (バレエの技の一種) を七回まわるシーンである。技術的に困難で、星はそれができない。周囲は脚本を変えようというが、光は認めない。若くして死んだ倉本が最後に死と戦いながら書いた脚本だからだ。
結局、ピルエットができないまま本番の前日を迎えてしまった星に、あしたピルエットができるように、と大樹はキスをする。
当日、舞台で光はまたもやアドリブをし、そのなかでピルエットの意味――命を爆発させて回る――を伝える。倉本のピルエットの意味を理解した星は、無事に演じきり、ピルエットも成功させる。
終演後、光は星に、自分は母親の資格がないからせめて星を女優として一流に育てるために、いままでつめたくしていたこと、そして、倉本こそが星の父親であることを告げる。脚本は、倉本が妻子にのこしたメッセージだったのである――。
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