愛の戦士ヘッドロココ 4
マリアはノア城脱出に失敗した。スノーリアのロココは遠く離れたマリアからのメッセージを受けとり、お雪の幻想の世界から抜け出すことができた。オーロラ王子は愛のパワーをまとって戦うロココから「願い事が叶う鏡」を復活させるパワーを感じる。そして、見事に鏡を復活させた。王子は鏡に悪魔を滅ぼすよう願をかけるが、鏡は「勝手な願い」と聞き入れない。ロココたちはお雪に苦戦しながらも、彼女がカイザーにうまく操られているだけだと気づく。しかし、お雪はそう告げられても「たわごと」と一蹴し、攻撃を続ける。その結果、カイザーから贈られた指輪はお雪のパワーを奪いはじめる。お雪がカイザーの意図に気づいたときには遅く、彼女は自滅した。パワーを使い果たし小さな雪うさぎになり、消えた。
お雪が消滅したことで、彼女の呪いをうけていた村人たちは復活した。復活した鏡はロココに願いを叶えることを申し出た。鏡に写った彼の願いはふたつ、次界に行きたい。そしてマリアに会いたい。「次界には自分の力で、苦労を越えてたどり着かなければ。しかし、その旅には一人足りない」そう行ったロココたちを、鏡は天魔界に転送する。
カイザーは、天魔界のうらない師カラ魔ンゾの館を訪ねた。カラ魔ンゾはカイザーの復活を「光生まれしとき影もまた生まれる」と予言していた。予言どおりに復活したいま、自分は光なのか影なのか、カイザーの問いに対するカラ魔ンゾの答えは「時の流れが教えてくれよう」だった。その言葉をかみしめたカイザーは、自分が光になってみせる、と宣言した。
マリアはノア城に閉じ込められていた。城を出るため、マリアはカイザーとノアに従順なふりをする。ノアはすっかり機嫌がよくなり、マリアの婚約披露宴ようにと、ドレスのファッションショーをしてみせる。マリアはカイザーを色仕掛けで「チューリップの丘」に誘い出した。さいきん、丘には空間の歪と呼ばれる時空トンネルが頻発しており、彼女はその歪からの脱出を目論んでいた。マリアがカイザーに偽のイヤリングを贈り、機嫌をとっていると、待望した歪が出現した。さっそく脱出しようとするマリアだったが、「オレを甘く見るな」とカイザーに阻まれる。そのとき空間の歪からロココ一行が降ってきた。マリアはロココと再会を果たしたものの、カイザーにより城に戻されてしまう。城の手前で、再び歪に巻き込まれていた神帝ピータがワープアウトしてきた。これをきっかけに、マリアはカイザーの手から逃れることに成功した。
マリアが逃げ出した。ノアはそれを聞いて激昂し、ワルキューレの魔女にマリアの捜索祖、カイザーにロココの抹殺を命じた。ロココたちは、ピータを探して悪魔の村に迷い込んだ。そこへカイザーが現れた。ロココは、自国の村でも攻撃の手を緩めないカイザーに憤る。そのように村人を気にしたロココは、村人を助けて怪我を負ってしまった。
エリスたちの追撃をかわすマリアは、ロココの危機を肌で感じたのか、何か嫌な予感がしている。負傷したロココは神帝たちとともに、ウッディウッドと呼ばれる森にテレポートした。森には悪魔ながら戦いを疎んじる少女・ルウが万能の実をつけるといわれる木・マザーを守って暮らしていた。側近であるヤドリ木の忠告を聞かず、ルウはロココをかくまう。彼女はロココの平和への願いに共感し、同時にほのかな恋心を抱く。
カイザーはロココが森に逃げたことを知り、マリアのイヤリングに彼女の外見を与えることでロココを誘いださせる。ロココは、とつぜん訪ねてきた偽のマリアに違和感を覚えながらも、再会の喜びで、ルウの館から出てしまう。窓から外を飛ぶふたりを目撃したルウは、マリアが贋物であると見抜く。正体のばれたマリアは自分は「贋物のイヤリング」と告白してもとの姿に戻った。
ロココがスノーリアから天魔界に移動したことで、話の舞台は完全に天魔界にうつる。なのに竜眼師の城にはあった魔界独特のふぜいがあまり見られないのは残念なところ。次の5巻に登場するカイザーとマリアの婚約披露宴は生贄がいたりして風情たっぷりだが。
天魔界に閉じ込められたマリアをお守りするのはワルキューレの魔女たち。彼女がマリアのために差し出したのは、食べ物とそしてファミコンというところが時代を感じさせる。2005年に刊行された復刊版ではファミコンのコマの下に小さく「レトロ」と書かれていた。ま、このコマだけプレステ2に直したところですぐに風化するだろう。
ノアがマリアのためにファッションショーをしてみせるところは、ノアのパワフルな性格が出ていてギャグとしても面白い。このシーンに出てくる衣装はすべて読者公募。読者はノアじゃなくてマリアに着て欲しかったんじゃないのか、というつっこみはさておこう。
上の粗筋でははっしょたがロココが天使は場所を知らないはずの天魔界に現れた件で、デビルがノアをなじっている。デビルが本編に登場するのは、たぶんこれで最後だ。
偽のマリアを派遣したカイザーはチョコレートパフェを食べながら結果を待つ。彼がチョコパをほんとうに食べているのは、このシーンが最初。その偽のマリアはふだんのマリアよりも色っぽくできあがっている。願望か?

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written in 2004.04.26, rewitten in 2005.04.30