愛の戦士ヘッドロココ 3
マリアは天地球の晩餐会の席で、かぐやにロココに告白するよう勧めるが、かぐやはマリアを愛するロココが自分の気持ちを知れば苦しむだろうと、敢えて告白しない。ロココはマリアに一緒に次界へ行くよう申し込むが、マリアは母親ノアを説得するため単身天魔界へ。 天魔界に戻ったマリアの気持ちはノアに理解されず、逆に復活した悪魔・ウォルフカイザーとの婚約を押し付けられる。
ロココはマリアが天魔界に戻ったことで少し落ち込むが、彼女が戻ってくるまでに一歩でも次界に近づこうと、次界への道の途中にある国・スノーリアへ足を踏み入れる。スノーリアでは、悪魔・ブリザードお雪が天使を雪だる魔化するなどして村人を苦しめていた。お雪の攻撃をうけたロココは、スノーリアの天使・オーロラ王子に助けられる。王子は願い事の叶う鏡を使う力を持っており、鏡で両親たち雪だる魔に変えた悪魔を滅ぼしたい、と語った。天使と悪魔の板ばさみで胸を痛めるロココのもとに、カイザーの幻が現れた。彼は自分がマリアの婚約者であることを告げ、そこらを爆風でむちゃくちゃにして消えていった。
そのカイザーは天魔界で血のつながらない妹・エリスと再会する。彼女もまた「愛の戦士」ワールドの住人らしく、カイザーの復活を素直に喜べない。
マリアは婚約を阻止するために、母・ノアの秘密の部屋に侵入する。しかし、その部屋を守るオロチの攻撃を受ける。危機に陥った彼女を救ったのはエリスだった。エリスはカイザーの義妹であると同時に、現在はノアの第一秘書であり、幼いころのマリアのお目付け役でもあった。エリスと再会したマリアは、カイザーとの婚約と自分がロココと愛の泉の水を取ったことを告げる。エリスは、カイザーの意図が政略結婚にあることを見抜き、また、ロココとマリアの幸せを祝福する。
スノーリアで路頭に迷ったロココたちは、雪原に灯を見つけて助けを求めた。一晩の宿を提供してくれた主は、じつは悪魔・お雪だった。カイザーは (どうしてロココがスノーリアにいることを知ったのかは謎なのだが) お雪にロココを殺すように巧みに持ちかけ、「わたしの気持ちだ」とパワーを増幅する効果のある指輪を渡した。そのようなことは知らず、ただマリアの婚約に悩むロココをお雪が襲った――。
前回(2巻)あまりに長くなったので、今回は端折り気味にしてみた。2巻に引き続き、かぐやとマリアのシーンはいい。ドラマなどでよくある女同士のどろどろした感じはない。かぐやが可愛らしく、ロココはこんなに思われて幸せものだと思う。エリスとカイザーが再会したシーンもいい。エリスはぱぁっと嬉しそうな顔をしたりしていて、微笑ましい。このときの「わたしのこと覚えていて」と登場するエリスはシリーズを通して一番美しい女性のカットとわたしは思っている。きらきらしている。
ところでカイザーがお雪に指輪を渡しロココの抹殺を依頼しているが、お雪はこれを「ロココを倒せば天魔界に戻れてカイザーと結婚できる」と解釈している。いっぽうのカイザーは結婚などという言葉はひとことも発していない。デートしたい、と言っただけ (じつはデートしよう、と言っていないのだ!) 。それでもお雪のほうはすっかりその気になっている。ここら辺で言質を出さないところはさすがに遊びなれた悪魔 (たぶん) というところだろうが、ちょっと女運が向いていないような気もする。

INDEX BACK

written in 2000.04.24, rewitten in 2005.04.29