愛の戦士ヘッドロココ 1
次界への旅を続けるヘッドロココ一行。食糧を探しにでけかたヘッドロココとアリババは野菜の精・キャロルと出合った。
同じころ、マリアは彼女の失脚をもくろむスーパーデビルから見合いを持ちかけられていた。美形の見合い写真を見せられてそわそわするマリアだが、実際の見合い相手はバクテ裏闇だった。とうぜん、見合いは失敗する。「ふっ……、結婚引退作戦失敗か――」焦るデビルの元に天地球のっとり作戦の準備が完了したとの報告が入る。デビルの作戦とは、ロココの前で聖プリ帝を襲わせ、その隙に天地球をのっとり、さらにプリ帝にロココと神帝を殺させるというものだった。これを知ったマリアは「ロココを殺すのはあたし」とデビルの作戦を邪魔しに向かう。
そのロココは、デビルの目論見通りにプリ帝を助け、彼女の「友人がオズアイランドにとらえられているので助けてほしい」という願いを聞き入れる。
デビルは天地球に現れ、天地球の民の命を盾にかぐやと強引に婚約をする。
一方、数々の試練を(マリアの影からの協力を得て)乗り越え、オズアイランドのオズ魔使を倒したロココは、マリアからかぐやがデビルの陰謀にかかっていると伝えられ、共にかぐやの元にむかう。が、その道すがら、マリアが見合いをしていたことがロココにばれてしまう。
とりあえずここまでを、まことに勝手ながら「OZ篇」と名づけさせていただこう。この見所としては、もろ悪徳駄目政治家なスーパーデビルと喋る野菜ども、それにまだパート1を引きずって顔のこわいマリア。また、デビルの求婚を凛として断るかぐやが可愛い。結局受け入れちゃうけど。ちなみに、マリアの見合いに失敗したデビルが「ワンダーマリア、生意気な女め。このままではいつかわしをさしおいて天魔界のリーダーになってしまうかもしれん……」とつぶやいている。この台詞から、このころ「マリアは天魔界の王女」という設定はなかったことが伺える。後の外伝「旅立ちの前奏曲」では、デビルはノアの部下、ということをにおわせる描写があるのだが。デビルがかぐやに執心しているという設定はパート1から受け継がれている (パート1ではデビルがかぐやに「このデビルの嫁にならなりたいわよね」と言うシーンがある)。
余談であるが、デビルがマリアを他人と結婚させてしまおうという作戦と、後にカイザーが自らマリアと結婚してしまおうという計略とはやや類似点が見られる。そもそもカイザーは顔がいいだけで、性格や思考はデビルとほとんど一緒という話もある [senkan, 2004]。
かぐやがデビルと結婚式をあげようかというそのとき、かぐやのもとにロココ、マリアと神帝たちが到着した。なんとか危機を回避した一行だったが、神帝たちの不用意な発言に怒ったマリアは、ロココに剣をむけ、さらに戦いの最中にデスゾーンへとロココを巻き込んでテレポートしてしまう。デスゾーンは理性を失った状態でテレポートすると迷い込んでしまうと言われる魔性の地である。そこでは、すべての生物が理力をうばわれて数時間後に死んでしまう。
神帝たちは、かぐやを母に、ロココを父に、そしてマリアをメイドにたとえてマリアを激怒させる。まだまだメイド萌え〜という概念のなかった時代である。そりゃ怒るよ……。
この後でもそうなのだが、結婚という概念がやたらと出てくる。その前の段階をすっとばしてすら出てくる。というよりその前の段階をすっとばすために出てくるのだろう。単に結婚といったばあい、とくに子供は、セクシャルなイメージとはすぐに結び付けない。

ロココは絶望するマリアを励ましともにデスゾーンからの脱出を試みる。天地球のかぐやは、ロココとマリアがデスゾーンへ迷い込んだことを知り、ひとりデスゾーンの入り口へ向かった。キャロルはかぐやひっついていく。かぐやがたどりついたデスゾーンの「入り口」は、わかさぎを釣るような穴で、テレポートではいったとしても出れるかどうかわからない。そこでかぐやのどこまでも伸びるリボンをの一端を持ったキャロルが、デスゾーンへ入ることにした。が、キャロルの小さなからだでは、デスゾーンにすぐに全ての利力を吸い取られてしまう。そこで、かぐやの理力をリボンを通してキャロルに送ることにした。
そのころ、ロココは力尽きてしまったマリアをおぶってデスゾーンをあるいていた。万が一の可能性にかけてふたりは進む。
天地球から神帝たちがかぐやを助けにワープしてきた。そして彼等は、かぐやとともにキャロルに力を集める。
デスゾーンで雷鳴に襲われたロココとマリアは、危ないところでキャロルに助けられる。キャロルが運んだかぐやのリボンを伝って脱出を試みる。しかし、そのかぐやのもとにスーパーデビルが現れた。ロココは「姫は大切なひと」と早く脱出してかぐやを助けることを主張するが、マリアはその発言が気に入らない。マリアはロココから離れようとする。ロココは「あなた(=マリア)と一緒に姫を助けたい」とかなんとか言ってマリアを説得する。一行はデスゾーンの主の妨害にあいながらも、キャロルの蓄えた力もあって、デスゾーンを脱出した。
ロココたちはデスゾーンから脱出し、かぐやはデビルの魔の手から守られた。しかし、デスゾーンの魔力によってキャロルは病んでしまった……。
デスゾーンのなかでなんとか出口を見つけようとするロココ&マリアとそとから助け出そうとするかぐやたちが好対照で描かれている。
にしても、一本釣りはかぐやを「わかさぎつり」と評してましたが、状態としては「鵜飼」にちかいのではないでしょうか。
見所は、だいこんの癖に大活躍するキャロルと、そして何より恐面の癖に後ろ髪をお下げにしているデスゾーンの主。メイドマニアは、神帝の想像のなかのマリアのメイド姿 (これが原因でマリアを怒らすことになるのだが) もぜひチェックしておきたいところ。

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written in 2004.04.26, rewitten in 2005.04.26