プルシアンブルーが聞こえる
シンガーソングライターを目指す孤独な少女・帆南のもとに現れた妖精は、彼女の大事にしていた人形・レナを人間に変えてくれた。帆南とレナは同じ考えと趣味と外見をもち、しばらくは仲良く暮らしていた。帆南の学校に「趣味は曲作り、将来の夢はバンドデビュー」という少年・音響(おと ひびき)が転向してきた。帆南は彼のバンドにメンバーとして加わり、彼に惹かれていく。帆南と同じ心をもつレナもまた……。あるとき、帆南と音のバンドがオーデションの一時審査に合格する。しかし、二次審査当日に風邪を引いてしまった帆南は、レナに身代わりを頼む。そのオーディションの帰り道、レナ と音の二人はキスをしていた。事実を知った帆南は、レナを責め彼女を人形に戻そうとする。現場に現れた音は、レナと帆南を止めようとするが、二人の争いに巻き込まれて階段から落ちて重症を負った。レナは音を助けるために彼に自らの命をあたえ、自分は人形にもどる。後悔の念にとらわれる帆南に対して、音は「レナは君自身」と励ました。
藤井みどり先生の作品は、長編や長編にしようとおもえばなり得るものが多が (『I・愛・アイランド』も、いくらでも続編が書けそうだ) 、これはこれだけで完結している。名作短編。コミックス『スターライト』に収録。

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